北山翔一 個展彫刻の肖像/ビーチ
Shoichi Kitayama Solo ExhibitionPOATLAIT IN SCULPTURE/ BEACH
展覧会期 / Schedule
6月9日(金)~ 7月2日(日) 11:00~19:00
Jun 9 (fri) - Jul 2 (sun) 11:00~19:00
金、土、日曜日のみ開廊
Only open on Fridays, Saturdays, and Sundays.
私にとっての彫刻制作へ向かう起点はその正体のわからなさにあった。制作を続けてわかったことはその正体ではなく、波立つ日常や現実や心揺さぶる風景と私との間、その“波打ち際”に常に彫刻が立ち現れるということだ。いや、そう思っているだけで、実はそこに自分が気が向いた時に訪れている、というほうが正しいのかもしれない。それなりに身近にはなった気はするが、いまだに彫刻というものがどんな顔をしているのかがよくわからない。
彫刻には、作るのも見るのもそういう不思議な距離がある。そのような感覚を、私の初となる個展のタイトルにしてみた。
本企画の打ち合わせをした昨年11月、ギャラリーとなっている建物自体の歴史を聞くと同時に、その終わりが近づきつつあることを知った。初めて Arai Associates を訪れたのは、『vinyl house』展の時だった。大学で同級だった伊藤久也氏が参加していたその展示は、空間の特性を活かし発展させたとても印象深い展覧会だった。彫刻を置きたくなる空間というのに出会ったことがなかった私にとって、その時から Arai Associates は数少ないその場所となった。打ち合わせから数ヶ月ほど経って無事展示が実現できること聞いた時、とても嬉しく思ったと同時にその時に不思議と感じた縁のようなものを思い出した。いろんな時間を内包しながら消えつつあるこの建物と私の間に、作りきれない彫刻の肖像と、それが存在するうら寂れたビーチのような空間が現れることを想像している。“波打ち際”は出会いと別れの場所なのだと思う。
北山 翔一 Shoichi Kitayama
1988
千葉県出身
2012
東京藝術大学美術学部彫刻科卒業
2014
東京藝術大学美術研究科修士課程修了
2017
東京藝術大学美術研究科博士後期課程修了
展覧会
2018
「第14回大分アジア彫刻展」朝倉文夫記念館 大分
「刻まれた時間- もの語る存在」東京藝術大学大学美術館
2019
「時間/ 彫刻 時をかけるかたち」東京藝術大学大学美術館陳列館
「彫刻と家」旧平櫛田中邸 東京
2021
「彫刻と家#2」旧平櫛田中邸 東京 三人展
「異想・夜想・妄想」日本橋高島屋美術画廊X 東京