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工藤春香個展「静かな湖畔の底から」

2020/1/11-2/2 13:00-19:00
土、日のみ開廊

社会の形が大きく変わる時、歴史に残る名前と消えていく名前がある。歴史に残る名前はそこに存在したことになり、消された名前は徐々に存在を忘れられていく。そのような社会構造と個人の存在の関係を、戦後初の人造湖である相模湖とその周辺に起きた出来事から紐解きインスタレーションと絵画、映像、資料で探る。歴史の中で見えなくされる人や風景の「存在したこと」と、現在生きている人の「存在している」ことを繋ぐ。

工藤春香個展「静かな湖畔の底から」

相模湖の生まれた時代背景から2016年に起きた相模湖近くの障害者施設での殺傷事件までの相模湖の歴史をインスタレーションと絵画と資料で辿りながら展示する。
また現在、小茂根福祉園に通っている「太田さん」の生活している映像とそこでの利用者とスタッフの会話や生活音で空間を構成し、「今は存在しない人、風景」と「現在の人、風景」をつなぎ、「存在」とは何なのかを鑑賞者に問う。新作インスタレーション、映像、資料など。

工藤春香

大学卒業後絵画制作を中心に活動。近年は国の制度や法律などが現在に生きている人々の価値観にどのように影響を与え個人に内面化されているかをテーマに絵画とインスタレーションの手法で制作。過去の事件や歴史をリサーチし、社会構造と個人の関係を探っている。絵画を自分のイメージの発露としてではなく、他人の視覚の追体験をするためのメディアとして制作し、インスタレーションの要素として扱っている。代表的な展示は、旧優生保護法下で生まれなかった子どもの視点を疑似体験するインスタレーションと、旧優生保護法導入から現在に至るまでの年表を同じ空間で構成し、歴史を作る側の視点と消されるものの視点を同時に表した。

略歴
1977年
東京生まれ
2002年
東京芸術大学美術学部絵画科油画専攻卒業
東京在中 ウェブサイト
トークイベント「地域史と吶喊」
2020/2/1 18:00〜20:00 (予定)
予約不要
会場
Arai Associates(工藤春香個展会場内)
入場料
500円
ゲスト
猪瀬浩平(文化人類学者、明治学院大学教員)
お問合せ
info@araiassociates.com