社会の形が大きく変わる時、歴史に残る名前と消えていく名前がある。歴史に残る名前はそこに存在したことになり、消された名前は徐々に存在を忘れられていく。そのような社会構造と個人の存在の関係を、戦後初の人造湖である相模湖とその周辺に起きた出来事から紐解きインスタレーションと絵画、映像、資料で探る。歴史の中で見えなくされる人や風景の「存在したこと」と、現在生きている人の「存在している」ことを繋ぐ。
相模湖の生まれた時代背景から2016年に起きた相模湖近くの障害者施設での殺傷事件までの相模湖の歴史をインスタレーションと絵画と資料で辿りながら展示する。
また現在、小茂根福祉園に通っている「太田さん」の生活している映像とそこでの利用者とスタッフの会話や生活音で空間を構成し、「今は存在しない人、風景」と「現在の人、風景」をつなぎ、「存在」とは何なのかを鑑賞者に問う。新作インスタレーション、映像、資料など。